iPhone X(アイフォーン テン)は2017年に発売され、ホームボタン廃止や顔認証Face IDの搭載など、iPhoneの歴史に大きな転換点をもたらしたモデルです。発売から8年が経過した2025年現在、「まだ使えるのか」「いつまで使い続けられるのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、iPhone Xの性能やiOS対応状況、バッテリー寿命、修理費用、中古買取相場まで、使用可能期間を判断するための情報を徹底解説します。買い替えや売却を検討している方にとって、ベストなタイミングを見極めるヒントもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
iPhone Xの基本スペックと2025年の現状
iPhone Xは発売当時、革新的なデザインと機能で注目を集めました。現在の使用感を理解するために、まずは基本スペックと現状を確認しておきましょう。
発売当時から革新的だったデザインと機能
iPhone Xは5.8インチの有機EL(OLED)ディスプレイを搭載し、ベゼルレスデザインを実現した最初のiPhoneです。ホームボタンを廃止し、画面占有率を大幅に向上させたことで、動画視聴やゲームプレイ時の没入感が格段に高まりました。また、Face ID(顔認証)の導入により、セキュリティと利便性が両立されています。
防水防塵性能(IP67等級)も備えており、日常生活での水濡れや埃にも対応できる設計です。デュアル12MPカメラシステムは、ポートレートモードや光学式手ぶれ補正を搭載し、今でも十分な撮影品質を提供します。デザイン面では、ガラスとステンレスフレームの組み合わせが高級感を演出し、現代でも色褪せない美しさを保っています。
A11 Bionicチップの処理性能は今でも通用するのか
iPhone XにはA11 Bionicチップが搭載されており、6コアCPU(高性能コア2つ、高効率コア4つ)と3コアGPUを備えています。3GBのRAMと相まって、2025年現在でも基本的な操作やアプリ起動はスムーズです。SNS閲覧、メール送受信、ウェブブラウジング、動画視聴といった日常的な用途であれば、ストレスを感じることは少ないでしょう。
ただし、最新のiPhoneと比較すると、A17 ProチップやA18チップなどには大きく差をつけられています。複数アプリの同時起動や、写真編集アプリでの高度な処理、最新の3Dゲームなどでは、動作のもたつきや発熱を感じる場面が増えてきました。処理性能自体は現役レベルですが、用途によっては限界を感じ始める時期に差し掛かっているといえます。
iPhone XのiOS対応状況といつまでアップデートされるか
iPhone Xを使い続けるうえで最も重要なのが、iOSのサポート状況です。セキュリティと機能面から、現在の対応状況を確認しましょう。
2025年時点での最新iOS対応状況
iPhone XはiOS 16までの対応が確認されていますが、iOS 17以降は非対応となりました。Appleは通常、新しいiOSリリース後も旧バージョンに対してセキュリティアップデートを提供しますが、その期間は限定的です。2025年時点では、iOS 16のセキュリティアップデートも終了に近づいている可能性が高く、今後は徐々に脆弱性への対応が遅れるリスクが高まります。
最新のiOS機能(新しいウィジェット、ロック画面のカスタマイズ、最新のAI機能など)は利用できないため、最新体験を求めるユーザーには物足りなさを感じる部分もあります。ただし、iOS 16の機能だけでも日常使用には十分であり、基本的なアプリは引き続き動作します。
セキュリティアップデート終了後のリスクとは
iOSのセキュリティアップデートが終了すると、新たに発見される脆弱性(セキュリティの穴)に対する保護が受けられなくなります。これにより、マルウェア感染、個人情報の漏洩、不正アクセスなどのリスクが高まります。特にオンラインバンキングやクレジットカード決済を利用する場合、セキュリティ面での不安が増大します。
また、主要なアプリ開発者は最新のiOSバージョンを基準にアップデートを行うため、古いiOSではアプリが動作しなくなったり、新機能が使えなくなったりする可能性があります。LINEやInstagram、各種銀行アプリなども、将来的にiOS 16のサポートを終了する可能性があるため、注意が必要です。
iPhone Xのバッテリー寿命と交換のタイミング
iPhone Xのバッテリー性能は、使用年数とともに確実に劣化していきます。快適に使い続けるためには、適切なタイミングでの交換が重要です。
バッテリー劣化のサインと確認方法
iPhoneのバッテリーは、充電サイクル(フル充電と放電を繰り返す回数)を重ねるごとに最大容量が減少します。iPhone Xを5年以上使用している場合、バッテリー最大容量が80%を下回っている可能性が高いでしょう。「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態」から、現在の最大容量を確認できます。
バッテリー劣化のサインとしては、以下のような症状が現れます。
- フル充電しても数時間で電池切れになる
- 突然シャットダウンする(特に寒い場所で顕著)
- 充電速度が極端に遅くなる
- 本体が異常に熱くなる
これらの症状が見られたら、バッテリー交換を検討するタイミングです。最大容量が80%以下になると、Appleも交換を推奨しています。
Apple公式と非正規店の交換費用比較
Apple公式ストアでのiPhone Xバッテリー交換費用は、AppleCare+に加入していない場合で約13,800円(2025年時点の目安)です。予約制で確実な品質が保証されますが、修理に数日かかる場合があります。Apple正規サービスプロバイダ(カメラのキタムラ、ビックカメラなど)でも同様のサービスが受けられます。
一方、非正規修理店では5,000円〜8,000円程度で交換できることが多く、即日対応も可能です。ただし、非正規店でバッテリー交換を行うと、今後Apple公式のサポートが受けられなくなるリスクがあります。また、粗悪なバッテリーを使用している店舗もあるため、信頼できる店舗選びが重要です。
売却を検討している場合は、公式でのバッテリー交換がおすすめです。修理履歴が正規のものであれば、買取査定時の評価が下がりにくい傾向があります。
iPhone Xで快適に使えるアプリとゲームの限界
日常的に使用するアプリやゲームが、iPhone Xでどの程度快適に動作するのかを確認しておきましょう。
日常アプリは問題なく動作するのか
LINE、Instagram、X(旧Twitter)、YouTube、Safariといった日常的に使うアプリは、iPhone Xでも問題なく動作します。メッセージ送受信、写真投稿、動画視聴などの基本機能は快適に利用でき、体感的な遅延もほとんど感じません。
ただし、ZoomやGoogle Meetなどのビデオ会議アプリを長時間使用すると、本体の発熱やバッテリー消耗が激しくなる傾向があります。また、Adobe LightroomやLumaFusionなどの高度な写真・動画編集アプリでは、書き出し時間が長くなったり、複雑なエフェクト適用時にカクつきが生じたりすることがあります。
基本的な用途であれば現役で使えますが、クリエイティブな作業や長時間のビデオ通話を頻繁に行う方には、やや力不足を感じる場面が増えてきています。
最新ゲームや高負荷アプリの動作状況
原神、PUBG Mobile、ウマ娘などのグラフィック負荷の高いゲームでは、iPhone Xの性能限界が顕著に現れます。設定を「低」や「中」にすれば動作しますが、フレームレート(画面の滑らかさ)が不安定になったり、ロード時間が長くなったりします。また、長時間プレイすると本体が熱くなり、バッテリー消耗も激しくなります。
最新のAR(拡張現実)アプリや、リアルタイムで大量のデータ処理を行うアプリでは、動作が重くなることがあります。AppleのApple Arcadeの一部タイトルも、推奨環境から外れつつあります。
ライトゲーマーであれば十分楽しめますが、最高画質で最新ゲームを快適にプレイしたい方には、買い替えを検討する時期かもしれません。
iPhone Xの故障リスクと修理費用の現実
長期間使用したiPhone Xは、さまざまな故障リスクを抱えています。修理すべきか買い替えるべきかの判断材料を整理しましょう。
よくある故障パターンと原因
iPhone Xでよく見られる故障は以下の通りです。
画面割れ・ひび割れ
落下による衝撃が最も多い原因です。有機ELディスプレイは液晶より高価なため、修理費用も高額になります。
バッテリーの膨張
経年劣化により、バッテリーが膨らんで画面を押し上げる現象です。放置すると発火リスクがあるため、即座に修理が必要です。
Face ID(顔認証)の不具合
センサー部分の故障や、iOS不具合が原因で認証できなくなることがあります。ハードウェア故障の場合、修理費用が高額です。
充電ポートの接触不良
充電ケーブルの抜き差しを繰り返すことで、Lightning端子が劣化します。充電できない、または充電が遅い場合はこれが原因の可能性があります。
水没による故障
IP67等級の防水性能はありますが、経年劣化でパッキンが弱まり、水没リスクが高まります。
修理すべきか買い替えるべきかの判断基準
修理費用と端末の残存価値を比較して判断しましょう。Apple公式での主な修理費用目安は以下の通りです(AppleCare+未加入の場合)。
- 画面修理:約37,400円
- バッテリー交換:約13,800円
- その他修理(本体交換):約67,800円
修理費用が3万円を超える場合、中古のiPhone 11やiPhone 12を購入した方がコストパフォーマンスが良い可能性があります。また、iPhone Xの中古買取価格が1万円前後であることを考えると、高額修理よりも売却して買い替える方が経済的です。
ただし、バッテリー交換程度であれば修理して使い続けるのも合理的な選択です。故障内容と修理費用、自身の使用状況を総合的に判断することが大切です。
iPhone Xの中古買取相場と高く売るコツ
iPhone Xを売却する際、少しでも高く買い取ってもらうためのポイントを押さえておきましょう。
2025年のiPhone X買取価格相場
2025年時点でのiPhone X(64GB・256GB)の買取相場は、状態によって大きく異なります。
- 美品(目立つ傷なし、動作良好):8,000円〜15,000円
- 良品(小傷あり、動作良好):5,000円〜10,000円
- 傷あり・動作不良:1,000円〜5,000円
容量による価格差は小さくなっており、256GBモデルでも64GBモデルとの差は1,000円〜2,000円程度です。発売から8年が経過し、型落ち感が強いため、買取価格は年々下落傾向にあります。
売却を検討している場合は、早めの決断がおすすめです。iOS対応終了や新型iPhoneの発売タイミングで、さらに買取価格が下がる可能性があります。
査定額を上げるための準備とポイント
iPhone Xを高く売るためには、以下の準備を行いましょう。
データのバックアップと初期化
「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」から、すべてのコンテンツと設定を消去します。iCloudからも必ずサインアウトしておきましょう。アクティベーションロック(端末ロック)がかかったままだと買取不可になります。
外観のクリーニング
画面や背面、カメラレンズを柔らかい布で拭き、指紋や汚れを除去します。Lightning端子の埃もエアダスターなどで取り除くと印象が良くなります。
付属品の準備
購入時の箱、充電ケーブル、イヤホン、電源アダプタなどが揃っていると、査定額が数百円〜1,000円程度アップすることがあります。
ネットワーク利用制限の確認
分割払いが残っている場合、キャリアのネットワーク利用制限が「△」または「×」になっている可能性があります。「◯」の状態にすることで、買取価格が大幅に上がります。
複数店舗で査定
買取専門店、大手リサイクルショップ、フリマアプリなど複数の方法で査定を受け、最も高い価格を提示する店舗を選びましょう。
iPhone Xから買い替えるべき?最新モデルとの比較
買い替えを検討している方向けに、最新iPhoneとの性能差を整理します。
最新iPhoneとの性能差を具体的に比較
iPhone Xと最新のiPhone 15シリーズ(またはiPhone 16シリーズ)を比較すると、以下のような違いがあります。
プロセッサー性能
A11 BionicとA17 Pro/A18チップでは、処理速度が約5〜6倍向上しています。特にAI処理、画像認識、動画編集などの負荷の高い作業で顕著な差が出ます。
カメラ性能
最新モデルは48MPメインカメラ、超広角カメラ、望遠カメラ(Proモデル)を搭載し、ナイトモード、シネマティックモード、ProRAW撮影などの機能が追加されています。iPhone Xのカメラも優秀ですが、暗所撮影やズーム性能では大きな差があります。
ディスプレイ
最新モデルはProMotionテクノロジー(最大120Hz)に対応し、スクロールやゲームプレイが非常に滑らかです。輝度も大幅に向上し、屋外での視認性が改善されています。
バッテリー持続時間
最新モデルは電力効率が向上しており、ビデオ再生時間が約2〜3倍長くなっています。1日中使っても余裕がある設計です。
5G通信
iPhone Xは4G LTE対応ですが、最新モデルは5G対応です。高速大容量通信が可能になり、動画視聴やクラウドサービス利用が快適です。
iPhone Xを使い続けるメリットとデメリット
メリット
- 追加コストがかからない
- 基本的な用途なら十分な性能
- Face IDなど先進機能を搭載
- 愛着のあるデバイスを使い続けられる
デメリット
- iOS対応が終了し、セキュリティリスクが高まる
- バッテリー劣化による使い勝手の低下
- 最新アプリやゲームが動作しない可能性
- 故障時の修理費用が高額
- 買取価格が年々下落
セキュリティや性能を重視する方は買い替えを、コストを抑えたい方はもう少し使い続けるという判断が現実的でしょう。
iPhone Xを長持ちさせる使い方とメンテナンス術
少しでも長くiPhone Xを使いたい方向けに、寿命を延ばすコツを紹介します。
バッテリー寿命を延ばす充電習慣
バッテリーの劣化を遅らせるために、以下の充電習慣を心がけましょう。
過充電を避ける
100%充電状態を長時間続けると、バッテリーに負担がかかります。「バッテリー充電の最適化」機能(設定→バッテリー→バッテリーの状態)をオンにすると、満充電のタイミングを自動調整してくれます。
極端な温度環境を避ける
高温環境(35度以上)や低温環境(0度以下)での使用・充電は、バッテリー劣化を加速させます。夏場の車内放置や、冬場の屋外での長時間使用は避けましょう。
20%〜80%の範囲で使う
バッテリー残量が0%になるまで使い切ったり、常に100%を維持したりするよりも、20%〜80%の範囲で使う方がバッテリー寿命が延びます。
純正または認証済み充電器を使用
安価な非純正充電器は、過電流によりバッテリーを傷める可能性があります。Apple純正またはMFi認証取得製品を使いましょう。
ストレージとパフォーマンスを保つ日常管理
動作速度を維持するために、以下のメンテナンスを定期的に行いましょう。
不要なアプリの削除
使っていないアプリは削除し、ストレージ容量に余裕を持たせます。「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」から、使用頻度の低いアプリを確認できます。
キャッシュのクリア
Safariのキャッシュや閲覧履歴を定期的に削除すると、動作が軽くなります。「設定」→「Safari」→「履歴とWebサイトデータを消去」から実行できます。
自動アップデートの見直し
アプリの自動更新により、古いiOSでは動作しないバージョンに更新されることがあります。重要なアプリは手動更新に切り替え、動作確認してから更新しましょう。
定期的な再起動
週に1回程度、電源を完全にオフにして再起動すると、メモリがクリアされて動作が安定します。
写真・動画をクラウドに移行
iCloudフォトライブラリやGoogleフォトを活用し、本体ストレージの空き容量を確保します。ストレージが逼迫すると動作が遅くなります。
まとめ
iPhone Xは2025年現在でも、基本的な用途であればまだ使い続けられるスマートフォンです。SNS、メール、Web閲覧、動画視聴といった日常的な使い方なら十分な性能を持っています。ただし、iOS対応の終了が近づいており、セキュリティリスクやアプリの非対応化が今後の大きな懸念材料となります。
バッテリーの劣化や故障のリスクも高まっているため、快適に使い続けるにはメンテナンスや部品交換が必要です。修理費用が高額になる場合は、買い替えを検討する良いタイミングといえるでしょう。
◎売却を検討している方へ
iPhone Xの買取価格は年々下落しており、早めの決断が高値売却のカギとなります。新しいiPhoneへの買い替え資金として、今のうちに売却を検討してみてはいかがでしょうか。
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